検査室
検査室概要
医療における診断治療のために必要な検査を担当し「正確なデータを迅速に提供する」ことを職務としています。
検査には体に直接触れて測る生理検査(心電図、超音波検査等)と体から一部を取り出して調べる検体検査(血液、尿、細胞の一部)があります。検体検査は、日本臨床衛生検査技師会の精度保証認証施設となっています。生理検査は、研修医の超音波研修も実施しています。当検査室は24時間いつでも検査対応を可能とするため日直体制に加え1982年より当直体制を、1997年からは超音波検査の拘束体制も導入しています。
職員の育成を重視し、初期研修(2年間)制度・全職員による研究発表(毎年)・各種認定制度取得に取り組んでいます。病院機能評価において、臨床検査機能は最高ランクの「s」評価を頂いています。
職場方針
検査室の重点目標
「患者さんからも、臨床からも、頼りにされる検査室をめざします」
- 私たちは、常に患者さんの立場に立ち、正確かつ迅速に真に生きたデータを提供し臨床からも患者さんからも信頼される検査室を目指します。
- 探究心、向上心を持ち常に学び、質の高い医療をめざします。
- 検査室の中だけにとどまらず、他職種とも連携し、医療チームの一員としての役割を果たします。
- 貧富の差による医療の差別を許さず、安心して暮らせる社会づくりに、患者さんや地域の方々と一緒に努力します。
- 私たちは、みんなで意見を出し合い、みんなで考え行動する、明るい働きがいのある職場づくりをめざします。また、合理的で効率的な検査業務体制を作り経営的にも努力します。
各検査部門の紹介
1. 検体検査部門
患者さんから採取した血液・尿等を分析して、疾病の予防・診断・治療をサポートしています。
1-1 検体検査
尿一般・生化学・血液・免疫血清・血液型・輸血・感染症・薬物濃度検査等を行っています。新型コロナウイルス検査も抗原定量検査とPCR検査を実施しています。
1-2 細菌検査
細菌検査室では、感染部位(臓器)から採取された検体が届きます。喀痰・尿・便・その他に、血液・髄液・胸水・腹水・関節液・膿・咽頭粘液・耳漏・角膜擦過物・膣分泌物・組織・爪などさまざまな検体が検査対象となり、感染症を起こしている菌(病原菌)を特定し、どの治療薬(抗菌薬)を使用すれば効果があるか調べています。
細菌検査は大きく分けて次の3つの検査があります。
- 塗抹検査
顕微鏡で細菌の有無と種類・炎症所見を観察します。 - 培養・同定検査
検体に存在する細菌を,目で見える集落(コロニー)まで育てることが培養検査です。また、菌名を決めることを同定検査といいます。培養検査には培地(液体培地・平板培地)を使います。血液は液体培地が入ったボトルに入れ、専用の自動培養器で5日間培養します。 - 薬剤感受性検査
検出された細菌に対して治療効果のある薬剤を調べ、感染症治療に役立てられています。また、近年話題となっているさまざまな薬剤耐性菌の検出も行っています。
そしてもう一つの大切な仕事は、院内感染対策です。病院内で検出される細菌、特に耐性菌と呼ばれる有効な治療薬が限られてくる菌の発生に注意し、また細菌検査室でわかる各種の情報を、感染対策委員会及び感染対策チームに提供し、院内感染の防止に努めています。
1-3 細胞診細胞診検査
病理検査室は、人体から採取された臓器や組織、喀痰や尿といった検体で顕微鏡標本を作製、観察することで病気の有無を調べる検査室です。
病理検査は大きく分けると組織検査・細胞診検査・病理解剖の3分野からなり病理医、臨床検査技師がその仕事を担っています。
○組織検査
病変の疑われる臓器の組織を顕微鏡で直接調べることにより
- 疾患の確定診断→生検、手術検体
- 病変の進行度の推定→手術検体
- 治療方針の決定
- 予後の推定
などが行えます。
方法は病変部位から臓器やその一部を採取し、顕微鏡で観察できるよう薄くスライスしスライドガラスに貼り付けます。その後、色づけ(染色)して組織構造や細胞形態を観察します。最終的に病理医が診断します。結果は3-14日ほどかかります。
また手術中に切除部位の決定や病名確定の目的で手術中迅速組織検査も行っています。
○細胞診検査
腫瘍細胞の発見に有用な検査で、採取された個々の細胞を顕微鏡で調べることにより
- 集団検診による癌の早期発見
- 治療効果の判定
- 経過の観察
- 再発の発見
に応用されています。
人体から採取した細胞をスライドガラスに塗り、顕微鏡で観察できるよう色づけ(染色)し、個々の細胞を観察します。細胞検査士(臨床検査技師)と病理医・細胞診指導医(医師)が判定・推定診断します。
(細胞診検査の対象検体)
呼吸器(喀痰、気管支擦過、気管支洗浄液など) | 肺がん |
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婦人科(子宮頸部、子宮体部など) | 子宮頸がん、子宮体部がん |
泌尿器(尿) | 膀胱がん |
体腔液(腹水、胸水、心嚢水) | 臓器からの悪性細胞の有無 |
穿刺吸引細胞診(乳腺、甲状腺など) | 乳がん、甲状腺がんなど |
※組織検査との大きな違いは組織検査が細胞個々から構築(構築)を調べるのに対し細胞診検査は細胞個々が対象となることが多いです。
○解剖
死因の解明を目的として行われる病理解剖を行っています。
2. 生理検査室
心電図・超音波など患者さんの身体を直接調べる検査を一般に生理検査(生理機能検査)と言います。当院で実施している生理検査は次の項目で、臨床検査技師が測定いたします。
心電図検査
ホルター心電図検査
心肺運動負荷試験(CPX)
脳波検査
神経伝導検査
呼吸機能検査(2021年感染対策用陰圧ボックス設置)
超音波検査(腹部、心臓、体表、泌尿器、産婦人科、血管)
眼底写真
聴力検査(簡易・精密聴力検査、新生児聴力スクリーニング検査)
動脈硬化検査(血圧脈拍・SRPP)
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)
特色
当院では、心臓機能検査では2013年度より安全かつ効果が高く、患者の状態に合わせてリハビリが行なえる運動強度としてガイドラインでも推奨されている、心肺運動負荷試験(CPX)を行なっています。またその方に適した運動の程度を把握し、具体的な 運動内容を心臓リハビリ科でご提案します。
呼吸機能検査では、Covid19等感染対策として安全に検査を出来ように、陰圧ボックスを設置し飛沫感染対策に取り組んでいます。
肝機能と肝癌治療の支援機能として肝硬化測定検査(フィブロスキャン)、小型肝癌に対する治療のラジオ波凝固療法のナビゲーターとして超音波Real-time Virtual Sonography(RVS)を使用し検査や治療効果を上げています。
委員会・渉外活動
病院関連
●社会保障委員会 ●反核平和委員会 ●友の会委員会 ●健康まつり ●地域班会担当 ●購入委員会 ●教育委員会 ●院内感染対策委員会 ●感染対策制御チーム ●減点査定委員会 ●感染対策マネージャー ●抗菌薬適正使用使用支援チーム(AST) ●輸血療法委員会 ●診療録管理委員会 ●NST委員会 ●セーフティーマネージャー ●クリニカルパス委員会 ●医師研修委員会 ●医師研修管理委員会 ●健診委員会 ●薬事委員会 ●HPH推進委員会 ●情報システム委員会 ●糖尿病プロジェクト委員会 ●VTE予防プロジェクト委員会 ●B型肝炎訴訟支援チーム
検査室関連
◎臨床検査適正化委員会
◎検査部会 運営委員会・研究発表会実行委員会・交流会実行委員会
◎共立高等看護学院講師
渉外活動
◎山梨民主医療機関連合会
*技術部門委員会
◎職能団体
*山梨県臨床検査技師会 副会長・精度管理委員・選挙管理委員・超音波研究班副班長
*日本超音波検査学会 代議員
*山梨県合同輸血療法委員会 I&A委員